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第10号 2016 Summer

「アートへの眼差し」を確かなものに
椙山女学園大学 教授 磯部錦司

 北欧のある街を訪れたとき、「ここでは、人の命を預かる医者と人の未来を預かる保育者のステイタスは同じである」という言葉に、背景の違いを感じました。日本の現代社会に潜む結果主義、効率主義は、色濃く保育の質にまで影響を与えています。それは造形教育についても同じであると言えます。

 ある私立幼稚園がそれまでの保育に疑問を感じ、自発的な遊びと生活を中心とした保育へと転換したとき、その本質的な保育は当初は親には理解されませんでした。保育者がまず行ったことは、「遊びのプロセスにある意味」を写真と言葉で日々伝えていくというものでした。子どもの気づきや変化や育ちを、毎日、ドキュメンテーションをとおし、親と共有していくということを繰り返していきました。その保育は、必然的に作品主義に囚われない豊かな表現を生み出し、画一的な絵画表現も、個性のあるいきいきとした内容へと明らかに変容し、周りからも理解される園へと変化していきました。

 全国的な保育の研究会において「アートへの眼差し」は確かに強くなっています。しかし、優れた考えや実践が多々報告されているにもかかわらず、本質的には日本の保育はそれほど変わってはいないことも現実です。今、求められることは、身近な実践にある「その意味を言葉にして地道に伝え続けていくこと」です。その一助を担うものとして、本誌への期待は膨らみます。

鼎談 こども・ぞうけい・あそび その2
大橋 功・河邉貴子・岡田京子

岡田京子:私は、文部科学省で教科調査官という学習指導要領に関わる仕事をしています。
 小学校図画工作科を担当しているので、年に数回、幼稚園や保育所などの造形活動を見せていただく機会があります。幼稚園や保育所の子供って本当に面白いですね。子供の中にいると、ほっとしますが、この子供たちのよさや豊かさを小学校で生かすためにはどうしたらよいかといつも考えます。

…続きは本誌で

目次

1 「アートへの眼差し」を確かなものに 磯部錦司

2  pocket interview
ポケットミーティング in 東京
鼎談 こども・ぞうけい・あそび その2
大橋 功 河邉貴子 岡田京子
司会:水島尚喜

6  biiku-navi report
美育NAVI訪問レポート⑩
富士見幼稚園 茨城県結城市
ナビゲーター:名取初穂

12  features
特集 紙をあそぶ 大橋 功

14 a curriculum for child care
幼稚園・保育園・小学校をつなぐ、造形カリキュラム
保育のなかの造形カリキュラム
馬場千晶

18  小学校1・2・3・4年生の造形カリキュラム
西村德行

20  practice
特集・実践ポケット【保育園】
紙をつなげよう、紙でつながろう!
小口 偉

22  keyword
連載 ポケットキーワード
第10回「紙の文化」 水島尚喜

23  material and tools
連載 材料・用具のはなし 
第10回 紙 その2
佐藤賢司

24  practice
実践ポケット【幼稚園】
あわ・あわ からうまれたこと
佐藤弥生

26  実践ポケット【小学校】
すずらんテープで大変身
千光士亜子

28  実践ポケット【小学校】
全身で材料に
関わることから始まる
守屋 建

30  drawing&painting
こどもの絵を聴く【幼児の部】 羽渓 了

31  こどもの絵を聴く【小学生の部】
眞間秀子

32  Q&A
連載 こどもが育つ造形Q&A
槇 英子




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