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第12号 2016 Winter

こどもの絵を読む
福島大学特認教授(美術科教育学) 天形健

 絵の読み方にもそれぞれの研究会独自のものがあります。 それは指導観も多様であることを示しているのでしょう。研究会は、 情報交換を行い、 授業の質を高める大切な機会です。

 “絵を読む”とは、 何を見取り、 評価することなのか、 小学校の「ねらい」と「めあて」を参考に考えてみたいと思います。「ねらい」 は、 その授業を企画した先生の指導目的のこと、 そして「めあて」 は、 一般的にこどもの学習目標を意味します。 “今日はどんな材料 で何を描くのかな? ”と授業を楽しみにしているこどもたちに示す目 標が「めあて」です。“絵を読む”とは、 その「ねらい」の達成度や「めあて」の適性度に対する指導者の自己評価であると考えられます。

 こどもたちの生育環境や他の活動場面をよく知る先生方は、 こどもの絵の背景にある実情を踏まえ、 絵を読み、 絵の解説をされ ることがあります。 その解説が、 こどもたちの個別事情や突発的な現象である場合には、 その情報が他園や他校で活用できるとは限りません 。 優れた授業から貴重な情報を得ようとするとき、 その後の指導に活きる新たな認識を期待するものです。 それは、「ねらい」 の適否や授業改善に有効な情報であることが望まれます。 授業や評価を客観視しだ‘絵を読む”情報が求められるのです。

 図画工作などの題材は、 こどもの中で起こる成長や変化を期待 して企画されます。 そのため、 実践発表などでは、 その題材の「ねらい」が充分達成されたか、 意圏が有効であったかを、 実践発表者と参加者が共に考える機会としたいのです。 授業環境の設定が功を奏したか、 どの材料や技法がやる気を起こさせたのかを話し合うということです。 描きたがるこどもにも、 描きたがらないこどもにも、 どのようにアプロ ーチすることが適切な指導なのかを検証する場としての期待があるということでしょう 。 先生方は互いに学び 合うからこそ、 教師力や指導力が進化し続けるのだと思います。

霊長類学者・人類学者/京都大学総長 山極壽一さん

霊長類学者・人類学者/京都大学総長
山極壽一さん

ゴリラは目と目を見つめ合って、「ここにいてもいいんだな」 と、お互いの気持ちを伝え合います。人間のこどもも
同じで、「そこに、共にいるだけでいい」という安心感。これがほんとはもっとも重要なはすなんです。
そういう関係の作り方を、僕はゴリラから学びました。

…続きは本誌で

目次

1 こどもの絵を読む
天形健

2 pocket interview
山極壽一さん
霊長類学者・人類学者/京都大学総長

6 biiku-navi report
美育NAVI訪問レポート⑫
芦屋市精道小学校兵庫県芦屋市
ナビゲーター:清田哲男

12 features
特集 ねんどをあそぶ 大橋 功

14 a curriculum for child care
幼稚園・保育園・小学校をつなぐ、造形カリキュラム
保育のなかの造形カリキュラム
馬場千晶

18 小学校1・2・3・4年生の造形カリキュラム
西村德行

20 keyword
連載 ポケットキーワード
第12回「粘土」 水島尚喜

21 material and tools
連載 材料・用具のはなし 
第12回 ねんど
佐藤賢司

22 practice
実践ポケット【保育園】
粘土場の土のねんど遊び
前嶋英輝

24 実践ポケット【幼稚園】
塗って、 描いて、
貼ってのびのびと表現しよう
三浦照子

26 実践ポケット【小学校】
ゆめ見るンルンまくらンラン
高橋英理子

28 実践ポケット【小学校】
つくろう!みんなのサンドキングダム
小林恭代

30 drawing&painting
こどもの絵を聴く【幼児の部】 花原幹夫

31 こどもの絵を聴く【小学生の部】 江原貴美子

32 Q&A
連載 こどもが育つ造形Q&A
槇 英子




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