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第19号 2018 Autumn

表紙

こどもの頃の遊びの地図
武蔵野美術大学名誉教授 及部克人

 1976年から1977年にかけて、 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科3年前期に、 世田谷区経堂にある和光幼稚園児のためのダンボ ール遊具を作ることを課題とした。

 学生たちには、 遊具を作るに先立って、「こどもの頃の遊びの地図」 を描くことを求めた。 自宅から学校までの通学路にある小川や橋、商店街、 八百屋や魚屋やスーパーなどを思い起こし、 次々と描く。 起伏のある地形や樹木の鬱蒼とした屋敷、 駄菓子屋のおばあちゃんの笑顔など、小学校時代の仲間と共有する大切な遊びの世界が描かれた。こどもにとっての遊びは、欠かせない生活のすべてであり、遊ぶことの中から豊かな感情や多様な人間関係が生み出され、 自分自身の価値観が育まれるのだと思う。学生たちは、自らの「遊びの地図」か ら、「遊びのかたち」を着想する。

 当時、 世田谷では新たな住宅が次々と建てられ、 解体した住宅の古材が豊富にあった。 和光幼稚園の秋野勝紀主事の助言により、材木による大型遊具「アラモの砦」「ぐによりベンチ」「大屋根」「権兵衛」「綿ロ ープと材木による織り機のような遊具」 なども作った。ダンボールや木材の遊具に嬉々として 遊ぶこどもの笑顔に、学生たちは夏休みを返上して作った苦労も忘れて喜びの声をあげていた。

 これらの遊びの装置は、美術大学と幼稚園の協力によって行われたが、世田谷では地域社会に結びついた遊び場や遊びの計画、こどもを中心とした イベントなど、各地でさまざまな遊びの試みがなされている。住民運動として発展している例もあり、大人もこどもも一体となって参加していくことで、よりよい都市環境づくりの事例として理解できるのである。

教育評論家/法政大学特任教授/臨床教育研究所「虹」所長
尾木直樹さん
pocket interview

元文部科学省視学官
西野範夫さん

小学校教員として、子どもとともに生きる教育の現場での経験をもとに、「造形遊び」を構想し、世に広めた西野範夫さんに、常に主張されている 「子どもひとりひとりの〈じかん〉と〈いのち〉」を尊重する教育の考え方と、「造形遊び」に託した意味を伺います。●聞き手 大橋功 岡山大学大学院教授

…続きは本誌で

目次

1 こどもの頃の遊びの地図
及部克人

2 pocket interview
西野範夫さん
元文部科学省視学官

8 biiku-navi report
美育NAVI訪問レポート⑲
人が人として生きる
アートの力
みずのき美術館 京都府亀岡市
ナビゲーター:馬場千晶

14 curriculum design
カリキュラム・デザイン⑦
特集 サンキューしぜん!
槙英子+馬場千晶+秋山道広

22 curriculum design
こどもと先生のおどうぐばこ

24 art in life
今日のぞうけい日記
馬場千晶

30 連戟0·1·2歳児の生活と造形
秋 秋をつかまえる 槇 英子

32 連載材料再発見③
スチレントレ ー/カップホルダー 槇 英子

33 pocket news
ポケットミーティングin京都

34 exploration in to the art of infants
連載幼児造形の森③
フレーベルと恩物 水島尚喜

35 word for children, word for art
連載こどものための、アー トのための言葉③
「想像」佐藤賢司

36 practice
実践ポケット【保育園】
美術館で、見て、感じて、楽しもう! 浅川文美

38 実践ポケット【幼稚園】
廃材遊びだいすきな人がいっぱい!
トーテムポール 長谷川 絢・浅野美穂

40 実践ポケット【小学校】
立体らいふのおと
願いが叶った瞬間に広がる世界 服部真也

42 drawing&painting こどもの絵を聴く
【幼児の部】森田ゆかり

43 【小学生の部】大櫃重剛

44 Q&A
連載 こどもが育つ造形Q&A
渡辺一洋+林 耕史




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